とりあえずいってみる?

スローペースな旅やらおでかけやらの備忘録。

河津桜まつりとさよならスーパービュー踊り子号

 

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桜と列車の旅

2020年2月17日(月)

南伊豆フリー乗車券利用
行き:東京(7:50)→河津(10:31) 踊り子103号
帰り:伊豆急下田(16:07)→横浜(18:24) スーパービュー踊り子10号

 

うちの父は西伊豆の出身。
車の免許を持っていないため帰省の際に利用するのは鉄道が主なので、伊豆急行は子供の頃から慣れ親しんだ路線だ。

中でも一番のお気に入りはスーパービュー踊り子号。
駅で見かける度に心をときめかせ、時にはグリーン車で贅沢な気分を味わっていた。
そんなスーパービュー踊り子号が2020年の3月で引退と知った時の衝撃といったら…!
更には慣れ親しんだ踊り子号も順次車両が置き換わるそうで、これはもう乗りに行かねばなるまい。
どうせだったら河津桜まつりに合わせて行こう! と思い立ち切符を手配したのだった。

 

特急 踊り子で河津へ向かう

行きは踊り子号の自由席に乗車。東京駅7:50発だ。早起き頑張った!
早い時間なので空いているだろうと思い、最後尾の自由席車両へ乗り込む。
伊豆へ向かう場合、進行方向左が海だ。なので海側の席の方が人気があるが、始めは右の山側に座る。
海が見えるまでは右側の方がいろいろな列車が見られるのだ。
あと、日差しが眩しいので最初は右側に座っていて良かったとも思う。

 

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ヘッドマークのある列車

特急踊り子号に利用されている185系(というらしい)車両も順次置き換わるそうだ。
それこそ子供の頃から数えきれない位乗ってきたこの電車。
初めてみた時は白地に緑のラインが入ったすっきりとしたデザインがとてもお洒落に見えた。
一時期オレンジのラインが入ったこともあるが、やはり踊り子といったらこの2色だ。
そういえば、ヘッドマークのある電車も少なくなってきたように思う。
新しい車両はどうなるんだろう…。

 

外見だけでなく内装も昭和感があふれている。窓も下から持ち上げるタイプだ。
座席の向きを変えるには、足元のペダルを踏んでまとめて回転させる。
デビュー当時は背もたれを前後に動かしていたように思う。
便利だけどリクライニングができないのがネックだった。
いつから変わったのか覚えていないが、こういうリニューアルは今までにもあったんだろうな。

 

山手線やモノレール、京急や相鉄など、都会で働く列車や新たに開業する車窓から楽しむ。
車庫にはスーパービュー踊り子号と入れ違いでデビューするサフィール踊り子号がいた。
スーパービューより更に豪華になるサフィール踊り子号。いつか乗ってみたいものだ。

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車庫にいたサフィール踊り子号

熱海を過ぎたあたりから海側へ移動する。
いつもは徐々に車内の人数は減っていくが、この日は河津で降りる人が多かった。
そう、例年より早めに開花した河津桜は満開で、桜まつりも開かれているのだ。


花盛りの河津桜


河津駅はとても綺麗になっていた。コインロッカーもそれなりにある。
例年観光客でにぎわい海外からの旅行者も多いと聞く。
この日は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中国からの観光客がほとんどいない。
平日ということもあって思ったよりは人が少なかった。
まずは河津桜の原木を見に行くことにする。

 

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駅前には伊豆の踊子の像

駅で観光案内地図をもらい、念のために原木の場所を聞く。
私は地図アプリを見ても建物から出ると反対方向に歩いていくくらいの方向音痴だ。
原木は駅を出て目の前の道路を海とは逆に歩いていく。
「かじやの桜」という古い木もあるけれど、それは原木ではない。
それらの案内を頭に入れていざ行こうではないか!

 

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かじやの桜も花盛り

道路沿いにある桜を眺めたり景色を楽しんだりしていると前方に背の低い桜の木を見つける。
これが「かじやの桜」らしい。
原木ではないけれど、初期の河津桜だそうで、道に触れるくらい伸びた枝にたくさんの花が咲いていてた。
低い枝は目の前で花を見られるので楽しい。
色の濃い、可愛い桜がたくさん付いていた。

 

菜の花畑やアロエの花に目を奪われつつ進むと、人がたくさん集まっている場所があった。
あそこにあるのが河津桜の原木だろう。
人が多いせいもあり、目の前の道路も車が続いていた。

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生絞りみかんジュース美味しい

案内板によると、河津桜は昭和30年頃に発見された、早咲きオオシマザクラ系とヒカンザクラ系の自然交配種と推定される桜だそう。
側で見ると幹の途中から枝分かれしているような複雑な形をしていた。
往事より勢いは衰えたそうだが、まだまだ美しい花をたくさんつけている。

 

道路を渡ったところにお土産屋があったので行ってみる。
伊豆といえばみかん。生絞りみかんジュースがあったので飲んでみることに。
私はいくつかの種類がブレンドされたミックスみかんジュースにした。
ビタミンが体中にしみわたるような美味しさだった。

 

そこから川沿いを歩いて駅へ戻ることにする。
たどり着いた豊泉橋は朱塗りの趣のある橋だ。
そこから奥にも桜並木が続いている。全部巡っていきたい気もするが、今回は列車メインなのでこのまま駅へ向かうことに。

 

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どこまでも続く桜並木

以前来たのは10年以上前で、その時は桜も小さくしょぼく見えてしまったが、今や立派な桜並木になっている。
青い空、満開の桜、道沿いに並ぶ売店、とお花見には最高の日だ。風がこれほど強くなければ。
そう、この日は飛ばされそうなくらい風が強く、ぽかぽか陽気も吹き飛ばしてしまい寒い。
おかげでビールを飲む気にならず、お団子やお饅頭を食べ歩いていた。

 

駅の側は土産物店が並び結構人が多かった。休日となったらもっと多くなるだろう。
それでも例年に比べれば少ないようでのんびりと散策できた。これほど風が強くなければだが。

 

いつも車窓から見える赤い館橋へ行く。時刻表は持っているし、ここから何本か列車を見ようと思ったのだ。
が、駅から聞こえてきたアナウンスに衝撃を受ける。
この日に限って沿線で事故があり、ダイヤが大幅に乱れているというのだ!
風がすごいし寒いし帰りは下田から乗る予定だし、早々に切り上げて駅に向かうことにした。

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白地に緑のラインが眩しい踊り子号

館橋のふもとから海へ向かう道も両側に河津桜が植えられている。
トンネルのようになっており夜にはライトアップされてるようだ。
海に近いせいか散るのが早いような気もする。
今度来る時は桜並木の端から端まで散策してみたい。

 

スーパービュー踊り子号(SVO)で帰路につく


河津駅に着くと人であふれていた。
事故のせいでダイヤが乱れ、予定していた列車がまだ来ないのだろう。
河津は下田のように列車に合わせて改札を開くというわけではないようで、そのままホームへ向かう。
外で時刻表を頼りに列車を狙うのではなく、見晴らしのいいホームで見ようという作戦だ。
だが何本か見送ったら飛ばされそうになるくらいの風と寒さで限界となり、早々に下田へ向かうことにした。

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伊豆急下田駅にて

散策時間を取るために最終便である16時台のSVOのにしたのだが、これは池袋行きだ。
私が利用するのは東京駅で、この日の東京行きSVOは14時台しかない。
池袋まで乗り通すか迷ったが、結局横浜までの乗車にした。
だが、なんだかんだあり下田に着いたのが14時前。これなら東京行きにすればよかったと思いつつ、念のため振り替えられるかみてみたがやはり満席だった。
因みに16時台の池袋行きも満席だったのだ。この時点では。

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もうこの並びも見られなくなるのだ…

運行が再開されるにつれ待合室の人も減ってきた。
徐々に平常に戻ってきたのだが、なんと私が乗る予定のSVOだけ機材繰りの関係で1時間半ほど遅れるという。
このアナウンスが入ると一斉に人が動き始め、前の列車に振り替える人が多くなった。
成田エクスプレスの車両を利用したマリンエクスプレスの東京行きも、特急踊り子号もある。
マリンエクスプレスもSVOと同じく運行が終了となるし乗ったことがないのでちょっと迷う。
でも今日の最大の目的はSVOのグリーン車に乗ることなのだ! これを逃したらもう乗れないのだ!!
ということで待つことにした。いつまででも待つわ…、と脳内であみんの歌を再生させながら。

 

17時40分、ようやくスーパービュー踊り子号池袋行きは伊豆急下田を出発した。
夕暮れに染まる海岸線を眺めながらノスタルジーな気分に浸る予定の車窓は真っ暗。
満席だったはずの車内はいくつの観光地を過ぎてもガラガラのままであった。

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足元がゆったりの座席

何はともあれグリーン車である。贅沢の極みである。
ゆったり座席と静かな車内を満喫するのである。
車内販売がなくなったり売店が縮小していたりグッズはもう売っていなかったりとちょっと淋しい…。
かつては生ビールや崎陽軒のシウマイなどが販売されていて、車窓を眺めながら一杯やるのが最高だったのだ。
けれど快適な時間を過ごし、横浜で別れを告げたのであった。

 

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